暦があてはまらない人2

これまた昼間の仕事でかかわった方です。

同じ課にいたおじさんでした。と、いうより課長でした。

で、このおじさん、易で習った通りにみると、家族運がよくないのです。

が実際は、非常に家庭円満で仕事も順調、幸せそうな方でした。

なんせ穏やかな方なのです。性格が安定しているといいますか、起伏の波がないんです。あるならよりご機嫌だったり、ですね。デフォルトがご機嫌安定、さらに機嫌いいときもある、といった感じなんです。

仕事をしていれば誰しも、嫌なこともあるはずなんですよね。確かに遭遇した時は自分の意志ははっきり言うけど、伝えること伝えたらおしまい、なんです。切り替え上手なんですね。

そんな方なので、職場の女性にも人気がありました。繰り返しますがおじさんです。別にかっこいいわけでもない。もてようと頑張ってるわけでもない。けどその人柄のよさで、周りに好かれているんです。

彼の隠れファンの女性も多く、仕事で嫌なことがあると、手帳や机にこっそりしまっておいた彼の写真を眺めて、自分を励ましている女性もいました笑。
私もファンのひとりでした。

彼の名前を出しただけで、みんな「ああ、○○さんね」と自然と笑顔になるような、そういう人柄の方だったんです。

そして何よりも家族を大切にしていました。彼の息子さんがモンゴルの女性と結婚したんですね。で、つくば駅前のちょっとした広場でモンゴル展を開催したとき、息子の奥さんも出席するからよかったら来てみない?と誘われ、私は週末行きました。すると課のほとんどの人たちもいたのです。そしてモンゴル人の奥さんを紹介してもらい、彼女は現地では歌手なので、歌を披露してくれました。そのおじさんの家族、職場の人間、もろもろと交流して、にぎやかに終わりました。

これも職場の人間と仲良くないと、わざわざ休日に、誘われたからって出向かないと思うんですよね。そして自分の家族も仲良くなければ紹介しないでしょう。
そしてそういう、人のささやかな気持ちというのを無下にしない。よく来てくれたねと、その気持ち以上にあたたかく迎えてくれるのです。

後日、職場で来てくれた人にと、キャビアとコースターをくれました。モンゴルは良質のキャビアがとれることで有名らしく、惜しげもなくひと瓶ずつくれました。コースターはフェルト製。羊毛もとれるんでしょうね。決して物につられているわけではなく笑、とてもいい人柄だったということを伝えたいのです。

そしてある日、子供たちが誕生日にプレゼントしてくれたと、ピンクのカーデガンを羽織ってきました。イチゴミルクみたいなパステルピンクのカーディガンで、よく見ると胸元にはイーストボーイの刺繍が笑。

おじさんが、女子高生が着るイーストボーイを着ている。
しかもイチゴミルク色!!!

それに気づいてくすくす笑っている女性もちらほらいました。
けど、バカにしているんじゃないんです。彼ならありだよね!というしあわせの笑い。すると、いいでしょ?っていうんです。そして私も、そうか着たいものを着ていいんだな!と何かがふっきれて、イーストボーイのカーデを買ってしまいました笑。

このおじさんとはかぶりませんでしたが、私が会社に着ていったら「おや、おそろいだね」と言ってくれそうです笑。

占いというと、あなたはこういう星を持っているからこれは無理ね、とか、家庭運悪いですよね、からはじまり、そこでそれをハンデに生きていきましょうね、みたいになりがちなんですが。

このおじさんのように、家庭運がもともとすごく悪くても、心のもちようで家族どころか周りの人にまで幸せを与えることもできるんですよね。

この方は再雇用も終え、既に退職されていますが、今もやっぱり幸せなんだろうなと思います。

占いに興味なさそうでしたが、暦的に自分のことを知らなくても、自分のありようでこんなに運勢をよくしている方がいるなぁと、お勉強させていただいた方でした。

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