お花は生命力のバロメーター
私は気学を習得するのに4人の先生につきましたが、うち二人は男性でした。
最後に教わったのも男性の師匠で、運命学の他にもビジネスにしていく方法などの現実面も一番教えてくれた方でした。
バブル期に新宿で占い師としてかなり活躍され、晩年茨城の牛久に越してきたことで私も教えを乞うことができたわけですが、初めて会った時は占い師というよりビジネスマンだなという印象でした。
いい意味でハングリー精神旺盛で、ともすればがつがつしているともいえるほど精力的に仕事をされ、大いに稼いでいる感じでした。
最近でこそワーカホリックだの残業は悪だのとされていますが、それまで私生活を犠牲にしてでも仕事をすることを美徳とされてきた時代も長く、先生も例にもれず仕事の鬼だったようです。私が先生の下へ通っていた時は既に亡くなるまでの数年のことでしたが、それでも仕事への貪欲さは並々ならぬものがありました。晩年近くてこうなんだから、先生がもっと若いころに知り合っていたとしても、ギラギラしすぎて受け付けなかったかもしれません(^^;)
占い師やスピリチュアルな人たちというのはともすれば清貧をよしとし、お金を俗世の代表みたいなものとして遠ざける傾向が強いように思いますが、この先生はその真逆でした。この先生につく前に3人ほどの先生につきましたが、どの方も運命学という点では素晴らしいことを教えてくれましたが、それを仕事につなげるノウハウというのは教えてもらえませんでした。そういった現実面も含めて気学を教えてくれたのは、4番目の水流天山先生のみです。
蛇足ながら誤解のないよう申し上げれば、他3名の先生もそれぞれ素晴らしかったです。女性の先生は女性ならではの繊細かつ鋭い目線で人の見方を、もう一人の男性の先生は元研究員の男性らしい論理的な展開で気学を教えてくださいました。
天山先生の話に戻ります。
この先生は単にギラギラしていただけではなく、非常に人間味もある方でした。気学教室は先生のお宅で行われ、伺ってみると庭にはバラが咲き、ドアを開けると大きなシャコバサボテンがたくさん花を咲かせていました。聞けば手入れをしているのは奥様ではなく先生ご本人とのこと。「男の俺が花を好きなんて恥ずかしいんだけどね」とおっしゃっていましたが、美しいものを愛する優しい心もある方でした。
先生はがんを患い、入院中私はお見舞いに行きました。その時、はす向かいのスーパーの中に花屋が入っており、そこでお花を買って先生の入院しているお部屋に向かいます。スーパーの片隅に500円未満で売っているちょっとした花束とは違い、ちゃんとした花屋が入っていたのでお花の質もよかったのです。そこで買ったお花を生け、先生に見せるととてもうれしそうにお花を眺めてくれました。消化器系のがんだったので食べ物を持っていっても受け付けず、ならばお好きなお花がいいと思ったのです。
前置きが長くなりましたが、ここからが今日の本題です。
先生がお花を見つめると、みるみるお花がしおれていくのです。よく、映像の早送りで花が咲く様子とか、ありますよね。それを見ているかのように、あっという間に新鮮なお花がしおれていきました。
植物は生命力のバロメーターとはきいていましたが、それを目の当たりにしました。
病院は暖房が効いているからお花の持ちはよくないとは思うのですが、それにしても早すぎです。先生は私がお花を生けると、きらきらした目でお花をじっと眺めていました。するとみるみるうちにしおれていくのです。まるで目のきらきらが、花から吸い取ったエネルギーを反映させているようでした。
先生は超現実的な一面ももつ占い師でしたが、陰陽五行という目に見えないものを扱う仕事をすることで霊力がついていったのかもしれません。そう思わせるような出来事でした。
先生ほどではないにせよ、普通の人でも部屋にお花などの植物を飾ってみるといいです。
花の種類によってもちの良さは違いますが、それでも自分の調子がいいときはお花も長持ちしますし、調子が悪いときはしおれるのが早いです。
なのでお花を生けてみて、しおれるのが早ければ生活を見直してみてください。注意してねという意味です。お花が身をもって教えてくれます。