ツーン、な九紫火星

谷崎潤一郎の小説「春琴抄」。
主人公であるこの春琴、九紫っぽいなーと思いながら読んでいたら、やっぱり九紫でした。

九紫火星の特徴がものすごく出ているんです。

どこまでも気位が高い九紫
薬商を営む裕福な家庭に生まれた春琴は、9歳で失明してしまいます。
利発で華やかな性格で見た目よし、加えて踊りも上手ときたら、さぞ将来は美しく聡明なお嬢さまになるだろうと、いや美しく聡明なんですが、目が見えないのです。

そこに丁稚でやってきた4歳上の佐助との出会いが二人の運命の始まりでした。

佐助の徹底した奉公ぶりから春琴は次第にわがままになり度合いもエスカレートしていくのです。
そのわがままぶりが、九紫そのもの。

春琴は、
・失明している。

美人で外面がいい

・目が見えないのに非常におしゃれ。うぐいすぬかを使って洗顔したり、全身すべすべの肌にこだわって、へちま水を愛用した。着物の組み合わせも、目明き(目が見える人)以上におしゃれだった。

・女だてらに三味線の腕は超一流

非常に美食家。おかずをひと口ずつ、次々手をつけるので、佐助を試しているかのようだった(佐助に作らせている)。

特に鯛のつくりを好み(高級志向)、佐助は彼女のためにカニや魚をほぐすのが上手になった。

・非常にプライドが高い。のちに三味線教室を開いたが、その時の入会金やお歳暮などの心づけに非常にこだわり、これをけちった人を破門にしてしまった。

・佐助との子供を妊娠したが、丁稚ごときとの子供なわけがないとあくまで否定。
このことから、佐助との縁談話も持ち上がったが、断固として受け入れない。

非常に頭の回転が速く、記憶力もいい。暗算が得意で何にいくら使ったか、細かいことも一度きいたら忘れない上に正確。

顔に大やけどを負う。

・佐助も自ら目をつぶし、盲目になる。それにドン引きせず、むしろ佐助に深い情をみせる

九紫火星は太陽の火を象徴しており、体の部位なら頭と顔を意味します。よってこの星を持っている人は美男美女が多いのです。頭は知識を司るので非常に頭脳明晰、頭の回転が早く、これが良い面で出ると愛敬があり、気のきいた話もできて人気あるキャラクターとなります。

顔、頭、目、また火を象徴することから、目の疾病、やけどなどの意味もあります。
失明する、顔をやけどするというのは、まさに九紫火星の象徴するところなのです。

また、頭脳を象徴するということから、義務教育以上の専門知識も九紫火星の範疇となり、踊りや三味線などの芸事も九紫火星です。九紫火星を持っている人がこういった芸事をやると、非常に生き生きとその才能を発揮します。

頭もよく、気位も高ければ冷たそうな印象ですが、非常に情が深いのも九紫火星の特徴です。
佐助が自ら目に針を刺して自分もめしいになりました、なんて一歩間違えればドン引きものですが、それを受け入れ絆が深まっちゃうあたりが九紫の情の深さですね。

春琴は
文政12年5月24日生まれとあるので、1829年 九紫火星己丑年生まれですね。
この4歳上にあたる佐助は早生まれを考えなければ四緑木星、早生まれなら五黄土星、いづれも春琴とは相生で相性は○ですね。四緑なら酉年で尚よしですか。

春琴は九紫火星の悪い面が出てしまいましたが、どの星も、よくも悪くもその星の持つ意味が性格、体調などに現れます。

大変面白かったです。
今から200年ほど前のお話、それにしても谷崎潤一郎は気学を知っていたのでしょうか。
今より暦になじみがある時代だったでしょうし、谷崎ほどの文豪なら気学を使いこなせても当然のことと思うが読者諸君は首肯せらるるや否や

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